ブラスト処理が使えない現場での、素地調整という選択肢
養生が困難、粉じん規制が厳しい、設備を止められない、狭くて足場が組めない — こうした条件でブラスト処理が選べない場合に、動力工具で ISO 8501-1 Sa2 ½ 相当(国内仕様では 1 種ケレンに相当)の清浄度とアンカープロファイルを得る工法です。適する条件と適さない条件を、はじめに明記します。
どこまで代替できて、どこからは代替できないか。
ブラスト処理の完全な置き換えを主張する工法ではありません。判断に必要な条件を先にお示しします。
国内のケレン区分と、ISO・SSPC の対応関係
国内の塗装仕様書は 1 種〜4 種のケレン区分で記載されることが一般的です。ISO 8501-1 および SSPC/AMPP との対応は次のとおりです。MontiPower の工具で得られる仕上がりは、下表の 1 種ケレンに「相当する」清浄度です(BB 11 mm ベルト、錆度 D での試験条件)。工法そのものの等級を読み替えるものではありません。
| ケレン区分 | ISO 8501-1 | SSPC / AMPP |
|---|---|---|
| 1 種ケレン — さび、旧塗膜を全て除去し鋼材面を露出 | Sa 2 ½ 〜 Sa 3 | SP 10 / SP 5 |
| 2 種ケレン — 旧塗膜、さびを除去し鋼材面を露出 | Sa 2 | SP 6 |
| 3 種ケレン — 活膜は残し、さび・割れ・膨れ等の不良部を除去 | St 3 相当 | SP 3 |
| 4 種ケレン — 粉化物、汚れなどを除去し軽く目荒し | St 2 相当 | SP 2 |
上記は一般的な対応関係を示すものです。実際の案件では、お客様の塗装仕様書の要求事項と照合してご確認ください。試験報告書は技術資料よりご請求いただけます。
研掃材を吹き付けずに、プロファイルを形成する仕組み
焼入れした鋼製ワイヤの先端を、高い周波数で鋼材面に打ち付けます。ワイヤ先端の運動エネルギーによって、さび、ミルスケール、旧塗膜の除去と、角のあるアンカープロファイルの形成が同時に進みます。
- 従来のワイヤブラシとの違い。ワイヤブラシは表面を磨き、塗膜を引き伸ばす(スミアリング)ことがありますが、本工法は打撃によって除去とプロファイル形成を行います。
- 得られる表面。65–85 µm Rz のアンカープロファイル。ジンクリッチプライマーや厚膜形エポキシ系の塗装仕様に対応します。
- 粉じん。研掃材を使用しないため、研掃材に由来する粉じんが発生しません。除去対象物に由来する粉じんについては、集じん接続口付きの保護カバーをご用意しています。
仕様のご確認に必要な資料
個人情報のご登録なしにダウンロードいただけます。社内での回覧、塗装仕様書への添付にご利用ください。
仕様書がブラスト処理を明示的に指定している場合、本工法は代替になりません。まず発注者または塗装仕様の管理者にご確認ください。仕様書が清浄度の等級(Sa2 ½ など)や 1 種ケレンといった「結果」で記載されている場合は、試験報告書をもとにご協議いただける可能性があります。判断に必要な資料はご提供いたします。
いいえ。「相当」は、規定の試験条件下で同等の清浄度が得られたことを示すものであり、工法そのものの等級を読み替えるものではありません。案件ごとの適合可否は、お客様の塗装仕様書の要求事項に照らしてご判断いただく必要があります。この区別を曖昧にしないことが、長期的な信頼につながると考えています。
研掃材を使用しないため、研掃材に由来する粉じんは発生しません。ただし、除去対象となるさびや旧塗膜に由来する粉じんは発生します。鉛やクロム等を含む旧塗膜を扱う場合は、法令に基づく適切なばく露防止措置が必要です。集じん接続口付きの保護カバーをご用意しています。
有効幅は 11 mm および 23 mm、ワイドモデルで 23 mm × 2 列です。部分補修、溶接部、狭隘部といった限定された範囲での施工に適しています。広大な面積の一括処理には、ブラスト処理のほうが適します。対象面積と工期をお知らせいただければ、現実的な工法の組み合わせをご提案します。
実際の対象物で、確かめてください。
対象となる構造物、現在の塗装仕様、施工条件をお知らせいただければ、適用可否の見通しと必要な資料をご案内します。サンプル施工についてもご相談を承ります。
